親の会社を継ぐメリットデメリット
親の会社を継ぐメリットとは
すでに親の会社の経営に携わっている場合は、事業内容や経営状況においての理解が深まった状態で引き継ぐことができます。また、ご自身が会社経営に関わる仕事をしたい場合、一般企業に入社しても経営に関わることは至難の業。親の会社であれば人事面の希望が通りやすいといった点もメリットとして挙げられるでしょう。
取引先や従業員との関係においてもすでに信頼関係が構築しているケースもあるため、次期社長として周囲の協力が得られる点もメリットとなります。
親の会社を継ぐデメリットとは
考えられる最も大きなデメリットは経営難や経営悪化に陥ったときでしょう。例えば、資金繰りがうまくいかず会社が倒産した場合、従業員であれば国の補償として失業保険を受けることが可能ですが、経営者の補償はありません。
経営が黒字化できていても、さまざまな場面において最終決定者となるためプレッシャーは計り知れません。経営に関する知識や経験はもちろんのこと、覚悟や決断力も経営者にとっては重要なファクターとなります。
親の会社を継ぎたくない理由と考えられる要因
子どもがなりたい職業から紐解く現状
第一生命保険株式会社では、毎年、全国の小学生・中学生・高校生計3,000人を対象に、将来なりたい職業ランキングを公開しています。2022年3月に発表された調査結果では、小学生男子では1位会社員、2位YouTuber、3位サッカー選手。小学生女子では1位パティシエ、2位看護師、3位幼稚園の先生となっています。これらの仕事は、自分が接したことがある、あるいはネットで見たことがある職業なのが特徴です。
※参照元:第一生命保険株式会社「第33回「大人になったらなりたいもの」調査結果(pdf)
https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2021_072.pdf
もちろん子供によって将来の夢はそれぞれです。
家庭でも将来の職業について、話題にする親もいれば、子供のなりたい職業について話したことがない親もいるでしょう。もしもあなたが企業経営者であった場合、自分の子どものなりたい職業について尋ねるでしょうか?もしも、継ぎたくない、と言われたらどうでしょうか?もちろん子供が小学生なら、まだ社会についての経験が浅く、仕事の中身にも深い理解が及んでいないでしょう。ただ、子供が成長し、中学生から高校生そして大学生になり、それでもやはり継ぎたくない、と言われたら、親が子供に自分の仕事内容を詳しく伝えていない可能性が考えられます。
たとえば、親が医師の場合、子供も医者になる確率は約4割です。これは極めて高い世襲率で、医師の子供は小さいときから、親の仕事内容を理解していることが、医学部進学の後押しになっていると考えられます。また、医師は患者を治療する職業で、子供にも理解しやすいビジネスであること、TVドラマでよく見られることなども世襲率が高くなっている原因であると推察できます。
仕事内容を把握することが第一歩
仮に自分の親が会社経営者で、その仕事を継ぎたくないと考えている場合、その理由はなんでしょうか?もしかすると会社の仕事が、なんとなくわからないのが原因ではないでしょうか?
社長の部下との人間関係が気になる人もいるでしょう。社長の親族であることで、後継者としての期待感もあるかもしれない、と薄々は感じているのかもしれません。
ウェットな人間関係が嫌なので、家族から離れて、しがらみのない会社で働くほうが気が楽だ、と考えるのも理解できます。社長と聞くと、いろいろな責任を追わなくてはならないことが重荷に感じる人もいるでしょう。
ただ、それらはすべて自分が作り上げた幻想に過ぎないかもしれません。親である社長に向かっていきなり事業承継の話を切り出すのは難しいものです。まずは軽く、仕事内容について尋ねてみるのはいかがでしょうか。

元々親御さんがやっている事業や会社には「伝統」があります。その伝統的な商品とかサービス、技術に対して、イノベーションを加えることで今の時流に合ったものになり、価値が変わるのではないか。私はそういう思いがあり、今のこの業務に従事しています。
まだ、親御さんの会社を継ぐか継がないかを決めかねている後継者様も、壁打ちすることで考えがまとまる方もいらっしゃいます。ぜひお気軽にご相談ください。