親の会社を継ぐべきか

廃業を「もったいない」と感じるか?

帝国データバンクの統計資料『全国・後継者不在企業動向調査』(2022年)によると、国内企業のうちおよそ半数以上(57.2%)の会社において、後継者不在で苦しんでいる状態が浮き彫りとなっています。中小企業の経営者の多くが高齢者になっているうえに、人材が枯渇していることも相まって、事業承継を進めることができず、廃業や清算を余儀なくされる会社が増えています。

※参照:帝国データバンク「全国・後継者不在企業動向調査(2022年)」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p221105.html

もしも自分の親が企業経営者だとしたら、このように親の会社が廃業せざるを得ないことを「もったいない」と感じるでしょうか?
もし「もったいない」と感じるなら、その想いから、経営を引き継いで会社を伸ばしていくことを真剣に考えるべきかもしれません。とはいうものの、自分にはまだ荷が重い、もっと経験を積まなくては、と考える人もいるでしょう。たしかに後継者が社長の椅子を譲られるタイミングで引き継ぐのは、株式だけではありません。経営者としての心構えやこれまで培ってきた信用など、重みのあるものが付随してきます。

親の会社を継ぐ際の心構えとは

ビジネススクールやセミナーに通う

心構えや信用を得るためにはどのように学んでいけばいいのでしょうか?
後継者教育を看板に掲げたビジネススクールや、後継者塾に通うことで、一定の知識が得られるとは思います。そういった学校に参加することで、知識だけでなく参加者同士の人脈が生まれるというメリットも期待できます。

ただそこで得られる知識は一般的な内容にとどまり、業種の異なる後継者にとって、自分が引き継ぐ会社に当てはまるものがないと感じるかもしれません。社長として会社全体を見た時には、座学とは異なる景色が見えます。社長としての行動力や決断力、取引先や社員など相手に対する思いやりといったものは、勉強して身に付くという種類のものではないのです。

周囲に相談する

不安な時は、周囲の人を頼るべきです。
社内で働く従業員は、先代社長から見ればたいてい年下です。が、後継者から見れば年上の方が多く、後継者が周囲の信頼を得るには、相当の時間と努力が必要です。

この若者が社長になったらどんな経営をするのか?自分たちの待遇はどうなるのか?これまでとは勝手が違う方法を押し付けられないだろうか?など、期待と不安が入り混じった目で従業員は観察しているものです。

社長の子供が社内で既に在籍している場合、従業員から見れば社長の子供が後継者になることは自然なことと理解されるでしょう。彼らとしても会社の業績を上げたいと願う心情は一緒です。社長の子供だからがんばって支えないといけないと奮起する従業員も多いと考えられます。

取材協力
経営コンサルタント 鹿島 圭氏
経営コンサルタント 鹿島 圭
後継者だからこそできることの重要性

元々親御さんがやっている事業や会社には「伝統」があります。その伝統的な商品とかサービス、技術に対して、イノベーションを加えることで今の時流に合ったものになり、価値が変わるのではないか。私はそういう思いがあり、今のこの業務に従事しています。

まだ、親御さんの会社を継ぐか継がないかを決めかねている後継者様も、壁打ちすることで考えがまとまる方もいらっしゃいます。ぜひお気軽にご相談ください。

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