子ども(息子・娘)が継いでくれない
子供が継いでくれない原因は?
会社が世代交代するのは、人生において大きなイベントです。会社を継ぐ側も継がせる側も、一生に一度だけの重大な決断の場面です。
大企業であれば人材のプールが大きいため、後継者選びに困ることは少ないでしょう。ところが中小企業においてはそうはいきません。会社の経営は、社長に大きく依存していることが多いため、その役割を受け継ぐ人材を探すとなると簡単ではありません。そのような中、後継者候補として真っ先に思い浮かぶのは自分の子供でしょう。ところが子供がすでに就職している場合や、家族から離れて暮らしている場合、会社を受け継ぐことに難色を示す場合が考えられます。
そんな時は、子供が事業承継してくれない根本的な原因を探るべきです。もしかすると会社に魅力がないことなのかもしれません。その場合は、子供を説得することよりも、まず自分の会社を魅力的なビジネスにすることが、前向きな対応ではないでしょうか。
会社を継いでくれない場合の対応策とは
会社のやり方を変えるという視点を持つ
若い世代に好まれる、魅力的な会社にするにはどうすべきでしょうか?
作業環境の改善や内装をおしゃれに変えること、あるいはトイレをきれいにすることなどかもしれません。これらは表層的な事柄で、ビジネスの本質ではないという意見もあるかもしれません。確かに壁紙やトイレが収益を生み出してくれるわけではありません。ただ、多くの人々がビジネスの本質的な部分よりも、こういう表面的な部分を評価し、見た目で判断しているのも事実です。
つまり、事業承継はそれまでのやり方を見直す良い機会なのです。子供が承継したくないというならなおさらです。もし、子供がITやテクノロジーに強いなら、後継者に合わせた仕組みづくりを、この際行ってみるのはいかがでしょうか?
後継者の得意なこととやりたいことに注目する
例えばコロナ禍において、顧客や取引先への情報のやり取りはますます緊密化しています。オンライン販売や配送サービス、テレワーク、リモート会議ツールなどのデジタルテクノロジーを活用したビジネスは、一般化しつつあります。また、電子契約書やデジタル決済を導入することで、取引のスピードアップやコスト削減が実現できるでしょう。後継者が興味を持つような仕事を用意することで、先陣を切って社内改革に取り組んでくれることも期待できます。
もちろん、新経営者が社業をないがしろにして、好きなことばかりに予算をつぎ込んでいないか、役員のチェックや外部監査法人による監査体制は必要です。

経営者が今現在行っている事業には「伝統」があります。その伝統的な商品とかサービス、技術に対して、イノベーションを加えることで今の時流に合ったものになり、価値が変わるのではないか。私はそういう思いがあり、事業承継問題に取り組んでいます。
息子さん娘さんに会社を継がせたいと思っていても、気軽に相談する相手がいないという経営者様は多いのではないでしょうか。相談相手を見極め、相談内容を壁打ちすることで考えがまとまる方もいらっしゃいます。ぜひお気軽にご相談ください。